日々是好日毎日御元気

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雪降るマチに

なかなかお気に入りだった「ラスクリ」風のテンプレートだったんですが、なんといっても字が小さかったんで・・・・・今日からスノータワーに交換。X’mas近くになったらまた戻すかもです。

今日はお話をひとつUP。
といってもこれから書いてくんでどうなるか・・・・・。

『雪降るマチに』

 12月の声を聞くと、ここには雪が降るんだとあなたは言っていた。
雪とは縁のない、南で今まで過ごしてきた私にとってテレビでしか見たことのないそれはいったいどんなものなのか、想像がつかなかった。たとえばそれはドラマの中で、子供たちが鼻を真っ赤にしながら小さな白い玉からだんだんと大きくなるように転がして、いびつな形に成りながらも大小二つ作って重ねた雪だるまだったり、あんな高いところから滑り降りるなんて到底信じられないような、ビル何階分もある高さのジャンプ台からスキージャンパーが飛び降りるときに見える真っ白なかたい平地だったり、雪って言うとそんなことしか思いつかなくって、あなたが言うようなふわりと柔らかい雪なんてあるんだろうかって思って。
むきになって聞いたことがある。
「冷たいと言うのはわかるわ、でも、柔らかいってどんな風によ」
「柔らかいっていうのはそうだなぁ・・・このカキ氷みたいってやつかな」
真夏の公園で、ジリジリと音を立てて地面が焼けているような日差しを浴びながらすぐに溶けていくカップ入りのカキ氷なんかを食べてる最中に聞いたのが悪かったのかもしれない。
ジャクン、とスプーンとつき立てて、
「こんな風にザクザクしてるの?」
いささかムッとしながら顔を向けた私に困ったように笑って、
「あと半年待てばわかるさ」
ほとんどジュースになっているカキ氷を一気に飲み干して、あなたはそう言った。
あれから半年、今年は暖冬で普段の年ならもう雪下ろしの雷が鳴って、恐ろしげな音と共に降り始めるという雪はまだやっては来ない。
「もしかして、降らなかったりして」
クスッと笑う私にそんなばかな、と言うあなたはさっきから一番大事なスノーボードを出して丁寧にワックスがけをしている。
「この冬はお前に教えてやるって言っただろ」
最近はスプレーで吹き付ける形のワックスも出ているって言ってたけれど、あなたは昔からのやり方で、固形になってるものをナイフで削って、オイルランプの上で少しずつ溶かしながら塗り広げて、削って、また塗っての繰り返しをずっとやっている。
疲れないのかな?
真剣に手元を見つめているあなたは、なんだかいつもより数段かっこよくって、そんなあなたから目が離せなくって入れてもらったコーヒーが温くなるのもかまわずに傍にいて。
ふと、窓の向こうが冷たくなった。
「・・・・・夏美、外」
顔を上げたあなたが指をさした先に、光る何かがあった。
「え・・・・・雪?」
これってそうなの?と慌てて窓の隙間から手を出して、手のひらに当たったそれが一瞬で消えてなくなる様を見続けた。
「な、柔らかいだろ」
消えてなくなる前のそれは手に当たったかどうかもわからないほど重さがなくて、ゆっくりと目の前に落ちてきたかと思うとほんの数センチ上で止まったように思えたのに、私の手に吸い込まれるようにスゥっと無くなってしまう。
面白くってずっと手を差し出したままの私に、あなたは子供みたいだな、と笑うとそれまで休めなかった手を止めて「寒いだろ」、と後ろから抱きしめてくれた。
「ううん、あったかい」
ふわりとした砂糖菓子のような雪は、二人の前を静かに降り続けた。
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