日々是好日毎日御元気

ワタクシの身近に起こったさまざまなことを 面白おかしく(??)お届けしておりますです~~

Entries

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • [No Tag]

ジングルベルが鳴る前に

冬の名曲っていうとやっぱりクリスマスソングになりますよねぇ。今テレビでそれやってるんですけど、クリスマスLOVEソングばっかりだもん。
ってことで、(つーことはないんですが)クリスマスなお話。
今度は男の人視点。
こんな彼氏だったら、ホッタラカシにはしないんだけど私。

『ジングルベルが鳴る前に』

そんな風に思ってるなんて、全然気がつかなかった。
「ムリしなくていいよ」
なんだよそれ、って言うと。
「だって、忙しいんでしょ。解ってるよ」
何が解ってるって言うんだよ、そんなんじゃないだろ。
携帯の向こう側で喋ってるお前の声が、なんだかすごく遠くてそれがとても不安で大きな声を出した。
やっと、部屋に帰ってきた。時計を見るとまだ10時をまわった頃で、この時間なら電話したって大丈夫だろう、そう思った。
スーツの胸のポケットに入っている携帯電話を取り出して、短縮の一番目に入っている番号に発信して。
思い浮かんだのは笑ってる顔をしたお前だったのに。
クリスマスイヴの24日は金曜日だけど、何とか休みがもらえたから3連休になるだろ、そっちに帰るから一緒に出かけようよ。
そう言ったあと、しばらく黙ったままのお前は「慶ちゃん」と名前を呼んだ。
ムリしなくていいよ、だって忙しいんでしょ解ってるよ。
その後は何を言っても返事をしない。
「無理なんかしてないよ」
そう言っても、お前は黙ったままで。
「祥子」
携帯電話を持ち替えて、その場に座り込んだ。
何が気に入らないんだろう。心配になって、でも何を言えばいいのか解らずにそのまま音のない時間が過ぎていって、それでも電話を切ることが出来ずに待っていた。
お前が何か言い出すのを、ただ待っていた。
「慶ちゃん、こないだ逢ってからどれくらいになる?」
「・・・・・あ?」
「夏に逢ったよね、で、10月には私がそっちに行ったら結局逢えなかったよね」
そうだった。
お前がこっちに来るって言って、逢えるはずの日に急に仕事が入って、それを伝えたらお前は帰ってしまった。
11月は日曜日の休みは帰るよって言ったのに、予定があるからって言うお前の言葉を信じて一度も帰らなかった。
「私、わかってるから。慶ちゃんが仕事に一生懸命だってわかってるから」
だからさ、もうムリして私に合わせてくれなくたっていいから。
言われた言葉は、だんだんと小さくなって。
最後は聞こえないほどの小ささになって。
これって、別れ話なのか?
祥子は、別れたいって言ってるのか?
・・・・・そんな風に思ってるなんて、全然気がつかなかった。
自分のことで目いっぱいで、祥子のこと考えてないわけじゃないんだけれどムリしてるって思ってるなんて思っても見なかった。
ふと時計を見上げるとまだ11時前だった。
「祥子、今は家にいるのか?」
ほんの少し涙声になった声が、ウン、と言っている。
「じゃ、そこで待ってろ」
えっ?と驚く電話の向こうに今日中には着かないだろうけど、でも待ってろよと言って、置いたばかりの車のキーを取り上げる。
今逢わなくちゃ、きっと後悔する。
高速を飛ばせばたった2時間半の距離なのに、何でその距離を縮められないのか、それが悔しくて。
バタンと音を立ててドアを閉め、キーを廻してエンジン音を聞いた。
ジングルベルが鳴る前に、お前に逢いに行くよ。
お前が泣き出す前に間に合うように、車は闇に飛び出していった。


スポンサーサイト
  • [No Tag]

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。