日々是好日毎日御元気

ワタクシの身近に起こったさまざまなことを 面白おかしく(??)お届けしておりますです~~

Entries

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • [No Tag]

クリスマスキャロルを聴きながら 2

嫉妬と言うのが、もしかしたら人間の中で一番力強くて大きくて、すべてにおいての原動力に成り得るんではないかと思っちゃったりしてですねー。
悔しいって気持ちと妬むってのは違うと理解はしてますが。
たとえば自分の娘を見ていて、私もこんな風に若かったらなぁとかさぁ。思いません?

と言いながら、お話の続き。
おかーさん、パパと一緒じゃ嫌なの?ってキツイ言葉だよね。

「クリスマスキャロルを聴きながら 2」


自分の車じゃない、あなたの車の助手席に乗って夜の街を走る。
ヘッドライトが照らす道路を、手持ち無沙汰になりながら黙って見続けるなんてずいぶん勿体無いなとぼんやりと思った。
普段なら好きな曲を聴いて、今通り過ぎたコンビニに寄って本日発売の雑誌を流し見て、ほんの少しだけ贅沢しようって思って「プレミアム」なんて名前のついている缶コーヒーを買って。
さぁて、今夜のおかずは何にしよう、昨日はかぼちゃのコロッケだった、なんて考えている頃。
そんな時間に昔好きだった歌手のコンサートに行くために、あなたの隣にいる。
なんだか、変な気分。
なんでいきなりコンサートなのよ、とまた思いながらその横顔を見つめて、それでも話しかけないうちに目的地へついてしまった。

会場は300人くらいしか入らない小ホールで、チャリティコンサートっていうんならもっと大きなホールでやればいいのに、なんて考えるほど狭い。もっとも全席自由で金額を聞いたら驚くくらいの安さだったから、人を呼べば呼ぶほど赤字になるのかもね、なんてそんなことを思いながら出来るだけ前の席でをと物色する。
「あそこでいいじゃない」
あなたが指差した場所は舞台から見ると右手の中盤。
えー、斜めじゃないの。そう文句を言いながらどんどん前に行くあなたの後をついて行く。
なんだかな、調子が狂っちゃう。
こんなことは今までなかった。手を繋ぐこともしなくなったと言うのに、隣り合って恋愛を唄う人のその声を直に聞くなんて。
10席並んでいるその真ん中に座って、手渡されたパンフレットに目を通していると、
「何年ぶりかな」
と、言われた。・・・え?何年ぶり?
言われた言葉をもう一度頭の中で繰り返して、そういえば結婚する前に一度だけこうしてコンサートに一緒に来たなぁとおぼろげながら思い出した。
あの頃は良かった。だって何をしても楽しかった。
私だって何をしててもうまく行ったし、なんだって手に入った。
あなただって・・・・・こんなじゃなかった。
かっこよかったのよ、と娘に言うと、「えーうそじゃないの」と言われるくらい変わっちゃって、なんだかだまされたみたいと思ってる。ホント、騙しだよね。
ぶすっとした顔であなたの顔を見てると、ライトが落ちてきてその顔がまともに見えなくなった。

歌はすごくいい。やっぱりいい。
でも、何でこんなに変わっちゃったのって言うくらい、彼は変わってしまってる。
そりゃ、人は姿かたちじゃないって分かってるけど、でもこれってないんじゃない?と思っている時にその彼の言葉が耳に入った。
「普通で、何も変わらない、そんな当たり前っていいですよね」
何言ってるの。
そんなに変わっちゃったのに、と心のなかで突っ込みを入れてるときに「ぼくはこーんなに変わっちゃいましたけどねぇ」なんて笑いを取ったセリフが出た。
「いつもどおりに毎日が過ぎて、いつもと変わらない人が傍にいてくれて。そんな当たり前って気がつかないけれど本当は」
「本当はそんな風にうまくなんていかないんですよ」
何を言ってるのこの人は。
『いつも隣にいる人が変わらないのは、実はすごく特別なこと。
だって、あなたにとってその人は変わらないのが当たり前でしょ、でも考えてみて。世の中ってそんな風に簡単に過ぎていかないじゃない。今この時だって戦争してるところもあるし、事故にあってる人もいる、死にかけてる人もいる。ついこの間大きな地震があったけれど、それだってこの日本じゃどこに起きたっておかしくない。そんな中でいつも変わらない毎日が過ぎるのって、ほら考えてみて、特別でしょ。』
何を・・・と考えて、そんな風に思ったことなどない自分に気がついた。
だってこんなの、普通に過ぎる毎日なんてそんなの、つまらないじゃないとしか思ってない自分。
せっかくこうして、いつもと違う日常がやってきてもそれを素直に喜べない自分がいるって、愕然として。
そんな自分のことどう見ていたんだろうって、そのときになってやっとあなたのことを考えた。
私がじゃなくって、あなたがどう考えているのかそれが知りたくなった。
「何年ぶりかな」
「え?」
あなたのことをこうして考えるのって何年ぶりかな。
そういったのに、うーんと考えたあなたは15、6年ぶり?とさっき自分が言った問いの答えを口に出した。

翌日、コンサートどうだった?と聞いてきた娘にクスリと笑いかけると、
「よかったわよ」
と笑顔で答えた。
何よその顔、とちょっと驚いたような顔をした娘に、いいじゃない今日は機嫌がいいってことよ、と言って。
「でもね、彼すごく変わっちゃってたの」
とこーんな風にでぶっててこーんな風に年取ってたって話したら。
「ママ、それだけ自分も年取ってるのよ」
ああそれだけは、言って欲しくなかったわ。
辛らつに言い放つ娘に、おどけて言えるほど私はその日上機嫌だった。






スポンサーサイト
  • [No Tag]

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。