日々是好日毎日御元気

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抱きしめてもいい?

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 ただ触れるだけの柔らかい感触は、僕を驚かせるのには充分だった。
 思っても見ないこと、それが起こると人間身動きが出来なくなるってのは本当だ。びっくりして止まったまま、僕はかろうじて動く視線をゆっくりと降ろした。
 軽く閉じた睫毛が目の前でフルリと揺れる、それだけでも胸のドキドキが止まらなくなって、どうしたらいいのかと戸惑う気持ちをいっそう深く押し付けられた唇が後押しするように囃し立てる。
 昨日抱きしめたときよりも、もっと近い場所にいる。
 あの時よりも、もっと温かい。
 甘く優しい香りが鼻腔をくすぐる。それがどんなに気持ちのいいことなのか、わかって。
 そろそろと腕をを持ち上げた。
 抱きしめてもいい?
 そう訊く代わりに触れただけの唇を軽く啄ばむ。
 逃げない唇は応えるように軽く開いて、より深く近づいた。
 手触りのいいニットの背中に触れる。ぎゅっと抱きしめたら壊すんじゃないかと思うほどの細いウエストに腕を回して、角度を変えて口付けた。
 なんか、
 すごくイイんだけど。
 昂ってきた気持ちが身体を満たしていく。
 こんな風だなんて思っていなかった。
 キスするってことが、こんなに気持ちいいことだなんて思ってもいなかった。
 しかも社内で、ってのが余計にクル。
 ドキドキしちゃって誰か来たらどうしよう、そう思うのが普通なんだろうけれど、今はそんなこと考えるよりもこの柔らかくて甘い感触を味わうほうが先、そう思ってしまうってのはなんていうか。
 やみつきになりそう。


 もっと、そう思って舌を差し入れたらとたんに身体を突き放された。

「・・・え?」

 なんで?

「この先はここじゃダメ」
「って、え?」
「・・・ばか」

 つん、とほんのり赤くした頬を逸らして力の抜けた僕の腕から逃れると、大股でデスクまで行きつくと「・・・・・もう」と唇を尖らせた。
 さっきまで柔らかく触れてた唇を。

「昨日の分なのっ」
「・・・あ」

 なんだそういうこと。
 っていうか、

「うわ」

 今になって恥ずかしくって顔が赤くなって来た。
 もう、何でそんなに可愛いことするんですか。全然、全然イメージじゃないからたまんなくなるじゃないですか。

「あの」

 足元に落した資料をかき集めると、慌てて傍まで寄った。
 ちょっとでも近くに居たい、そう思ってのことだったのに、となりに座っても顔も見ようとしない。
 まだ頬は赤いままだってのに、なんだかなぁ。
 クスリと笑みが洩れるとすかさず「祐志はなんか言ってた?」と訊かれた。

「荒木さん?」
「そう、だって昨日日浦と一緒に帰ってちゃってからこっちは大変だったんだから」

 和孝はむっちゃくちゃ落ち込みまくるし、宥めるのも一苦労なのよ。
 ぷん、とむくれた顔も可愛いなと思いながら、それに僕はなんの含みも持たないであった事だけを話した。

「僕んちに着いてからすぐに寝ちゃったから、特に何も言ってなかったですよ」

 本当?と振り返った顔にうんうんと頷く。

「今朝は先輩が朝ごはんを作ってくれて、それを三人で食べて出てきたけど」
「先輩って・・・上原圭一っ!?」
「・・・ええ、だって僕んちに居るんで」
「うそ」

 ガタン、と勢いよく立ち上がった主任はきっと僕を見据えて言った。

「あの男も一緒なのっ」







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