日々是好日毎日御元気

ワタクシの身近に起こったさまざまなことを 面白おかしく(??)お届けしておりますです~~

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その日 7月16日 <3>

「メガネ作ってくれよ」
店に着いて1時間ほどした頃、社長と同年代のよく来てくださる男性のお客様がまずブレスレットのサイズ直しをしてくれと来店し、その間にもうじき運転免許の更新だからメガネを作り直したほうがいいかどうか調べてくれないか、と相談された。
丁度その時他のお客様へメールを出していた時で、なかなか上手く文章が書けなかったものだから苦労していたところで、普段は社長が対応しているお客様だったので振り向き様に「今日は不在なんです」、と言うと、
「社長じゃなくてもいいだろ」
そうおっしゃるので、その方のデータをパソコンの顧客名簿から探し出すためパソコンにまた向き合ったときに、あとから考えるとあれが第一波だと思うのが来た。
まるで大きなトラックが間近に迫ってきているようなゴゴゴと言う地鳴りがしたと思うと、一度グラリと目の前が揺れた。
中越地震のあと、今でもその余震といえるような揺れを経験しているのもあって、そのときもはじめは「ああまたか」と軽く考えていた。
どうせすぐに収まる、そう思って立ち上がったその時。
ドンッ
と突き上げるような衝撃があったと同時に、身体の自由がきかずにそのまま飛ばされて右手奥の検眼室に転がり込んだ。そこには重量にすると100キロ近い検眼機があり、それがぐぅっと圧されて間近に迫ってくるのがわかった。私の背後、カウンターを挟んで向こう側に座っていたはずのお客様がガタガタガタッという音と同時に飛び込んできて、支えにしていたテーブルが転んですでに斜めになっていた検眼機にかろうじて掴まっている、そんな状態だった。
私が顔を上げると、さっきまで真っ直ぐ下がっていたカウンターの上の照明が斜めになってブランブランと廻っていた。その向こう、天井から下がる縦約3.5メートル横約2メートルの重く四角い照明が、大きく輪を描くように揺れているのが目に入ってきた。何もかもがまるでぐるぐると廻るように揺れて、いつまでも止まらないように続いていた。
「ずいぶん長いな」
必死で検眼機に掴まっているお客様の、それだけは落ち着いた声が耳に入ってきた。
「そうですね」
目の前の情景にただ驚いて座り込んでいた私が、なぜか自分も普通に返事をしたのを今でも鮮明に覚えている。

「外っ」
まだ揺れが若干続いていて、それでも回りの動きが目で追えるようになってきたとき、鋭い声が店内に響いた。
店のスタッフの、叫び声だった。
はっとして起き上がり、とにかく後ろも振り向かずに裏口から外に飛び出した。
バタバタッと周りの家からも人が飛び出してきて、お互いに顔を見合わせて不安そうに空を仰いだ。真っ青な、抜けるような空が広がっているのに、もうそこはさっきまでの知っている景色ではなかった。

不思議と音のない、静かな空が広がっていた。


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