日々是好日毎日御元気

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その日 7月16日 <4>

午前10時13分、出雲崎の沖深さ約17キロメートルを震源とするマグニチュード6.8の地震が発生した。
これにより新潟県長岡市柏崎市および刈羽郡、長野県飯綱町で震度6強、新潟県上越市、小千谷市出雲崎町で震度6弱を観測した。
これはでも、後から知ったことだ。

『ただ今市内で大きな揺れを観測いたしました』
外に出てしばらく呆然としていたとき、市の防災無線から男の人の声がした。街中に響くのは、大きな揺れの一言でそのほかにはまだ何ももたらされなかった。
店から飛び出したあと、社長の息子さんはすぐにまた建物の中に入っていった。続いて奥さんが入っていき、何事かと思っているときに3階に住む祖父母を連れて外に出てきた。そのわずかな時間の間、もう一人のスタッフは社長のお孫さんを抱いて駐車場を歩き回った。
「あ」
外に出てから、思い出した。
「娘がこっちに来てる」
「え?」
なに言ってるの、そう言われて私は説明した。
今日朝一緒に2人の娘がここまで来たこと、2人とも駅裏のカラオケ屋に行く予定になっていること、その前にガストで時間を潰すと言っていたということ。
あんたそれって。
一言そう言ったきり、スタッフの彼女は小さい子を抱えて立ち止まった。
「とにかく探してくる」
「気をつけなさいね」
うん、と頷いて一旦店の中に戻った。バッグと携帯電話、それを取りに行った。携帯電話は朝充電が切れているのがわかって、USB接続でパソコンに繋いだままだった。まだ1時間くらいしか経っていないのでどのくらいの充電量かわからなかったけれど、無いよりはましだ、そう思った。
再び外に出るまで、余震は起きなかった。
「あんた車で?」
バッグを持って出てきた私に彼女が声を掛けてきた。駐車場は店のあるビルの斜め後ろにあって、そっちを見ると朝止めたままの格好で青い車がそこにあった。
「歩いて行く」
思い出したのは中越地震のときの帰りの道のこと、街中の信号が消えて、車での移動がどれほど怖いのか思い知ったときのことだった。それに、車で駅裏へ行くにはすぐ目の前の駅前の三叉路を右に曲がって細い小路に入っていくか、大きく外れて8号線まで出て上越方向へ向かうか、どちらかしかない。
なら、歩いていった方が早いかもしれない。そう考えた。
「すぐに帰ってくる」
そう言いおいて、私は駅前通りへと出た。

歩道に出て、すぐに歩きを選んで正解だったと思った。
あちらこちらが大きく割れて、ある場所は穴が開いているかと思うと、こっちはぐしゃりと握りつぶしたように歩道のブロックがぐしゃぐしゃになっていた。
いったいどうなってるのか、気になりながら駅前の和菓子屋の前まで来た時、あんまり静かな後ろが気になって振り返った。
何機も続く信号が全部止まり、普段はうるさいくらいの有線の音楽がピタリと止まっていた。何もかもが、まるで死んだように一つも動かなかった。

その時、海のほうから一台の車が走ってきて駅前を右に曲がっていった。それが見えなくなるまで待って、私は左手の地下道へ走りこんだ。
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