日々是好日毎日御元気

ワタクシの身近に起こったさまざまなことを 面白おかしく(??)お届けしておりますです~~

Entries

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • [No Tag]

その日 7月16日 <9>

奥志賀高原に行っている主人と連絡がやっとついたのもその頃だった。
私の携帯電話からは全く繋がらず、私が店の中の片付けというか状況確認の為の写真撮りをしている最中もずっと電話を掛け続けていた娘が、「繋がった」と言って私の手元に持ってきた。
『なんだ』
娘は今のこちらの状況をどういったのか、電話の向こうの声はのんびりしたものだった。
「地震があったの、すぐに帰ってきて」
『すぐなんて無理だって』
すぐには無理と言う言葉に、柏崎で信じられないくらいの揺れを感じた地震があって、帰ってきてくれないと困るといくら説明してもなぜか面倒くさそうに帰るなんて無理だを繰り返されて、私は怒鳴った。
「とにかく帰ってきてっ」
私の声に常ではないものを感じたのか、不承ながらもわかったと返事をしてその電話は切れた。
出かけた時間からすると、もう川に着いていたかもしれないがもし着いていないとなるとあれだけ揺れたのだから長野の山奥だって相当揺れたはず、そう信じて疑わない私は、主人が地震自体全く感じないで釣りをしている最中だというのをこれっぽっちも想像しなかった。

事実中越沖地震の発生を全く知らなかった主人が帰り支度を始めたのは、私が電話してから2時間ほど経ってからだと言う。それまで奥志賀高原の雑魚川に生息するニッコウイワナを釣り上げようと頑張っていたのにその日に限ってなかなか釣れないで、その間にもこちらから何度も電話の着信が入るのにさすがにおかしいと思ったのだろう。帰り支度をして山の下まで降り、丁度電話が繋がった私が「水を買ってきてくれ」と言うのをきいてやっとただ事ではないと思い始めたらしい。
水は前の中越地震の時もさほど長い期間ではないけれど私の住んでいる地域は断水をして、水の確保に苦労したことを覚えていた。なので今すぐ断水するのかどうかはわからなかったが、あって越したことはない、そう思ってのことだった。予想通り翌日には全く水の出ない状況になってそれは7月いっぱい続くことになるのだが、そのときはそんなこと思いもしないで2リットルのペットボトルが5~6本もあればありがたい、その程度だった。
しかし事実は違ったのだ。
主人が水を買いに走ったスーパーでは、すでに箱入りの水は完売し、ペットボトルを5本確保するのがやっとだった。
なんでこんなに水がないんだろう、主人はそれが気になって傍にいた初老の男性に聞いたところその男性は思いもしないことを教えてくれたのだという。
「新潟の地震で原発が火事になってるって」
だからこっちもどうなるのかわからないから、確保できるものは確保しておくんだよ。
その話を聞いて、やっととんでもないことが起こったんだと実感したそうだ。
原子力発電所が火事。それだけきいただけでは何がどうなっているのかわからない。私の言っていた「信じられないほどの揺れ」がそれを引き起こすほどのものだとわかって、よほど驚いたとあとから聞いた。

店の中の状況をだいたい確認し、今後の揺れで落ちるかもしれない照明の下のカウンターには何枚ものダンボールを敷いて割れるのを防いで、後は何も出来ることがなくなった頃、ようやく家に帰ることになった。
次の日はとにかく休みにする、後はメールで連絡する、と社長の息子さんが決めて帰ろうという話になったとき、まだ社長と連絡のつかない奥さんの携帯電話の電池が切れてしまった。
「充電器、auの持ってなかったっけ?」
突然きかれて、一瞬私は自分がそれを持っているかどうか全くわからなくなってしまった。それを聞いていた娘がバッグの中をさぐって、仕切りのために使っている小バッグを取り出した。
「これに入ってない?」
言われてそれをひっくり返すと、中から単3電池で使える充電器が出てきた。
「使って」
街中が停電している中、いつ電気が復旧するのかわからないけれど今携帯電話が使えなくて困っているのは私じゃなくて奥さんの方だ。そう思って手渡した。
家に帰れば他にあったはずだから、そう思ったためだったが私はそれで後から苦労することになるのだった。


電脳浮遊都市アルファポリスWEBコンテンツ登録 ポチッとお願いします!
alfa1

スポンサーサイト
  • [No Tag]

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。