日々是好日毎日御元気

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その日 7月16日 <13>

家に着くと、待っていたのはたくさんのおにぎりと山ほどの鶏の蒸し焼きと、鮭やら明太子やらの食材だった。
「どうしたの」
玄関に入って朝出たときとほとんど変わらない様子にほっとしながら台所まで行って、テーブルの上に所狭しと並んでいるそれらを見てちょっとどころか大いに驚いて聞いてみた。
「冷蔵庫が使えないのよね」
義母はそういいながら、水道の蛇口をひねって出てくる水をポリタンクに入れていた。
「水はまだ出るの?」
「なんかね、まだ出る見たいだけど、そのうち出なくなるよきっと」
3年前がそうだった、そういいながら義母は次々とどこからそんなにいっぱいあったんですか、と聞きたくなるような数のポリタンクを持ってきて台所と風呂場に並べていった。
中越地震のとき、私の住まいのある山室は柏崎市内よりは震源地に近くて、家こそ影響は出なかったけれど水が止まってしまったのと配管が壊れたのがあって、電気温水器が空焚きになったことがあった。配管の破損で水が漏れているのに気がつかないで、電気が来たためにそのまま通電してしまって温水器の中が水蒸気だけになってしまい、鈍い爆発音とともに家中が水蒸気に覆われることを経験した。
それを思い出して、「水が出なくなるかも」と聞いて真っ先に言った。
「温水器は止めた?」
「止めた止めた、もういやだからさ」
ぶるぶる、と音が聞こえてきそうなほど肩を震わせて、義母は真新しい温水器をトンと叩いた。
ほんの20日ほど前、入れ替えたばかりだったのだ。

家の中はどう?と聞いて、2階はダメだね、と言うのに恐る恐る上がっていくと、左にすぐ曲がったところにある8畳の洋間は3つのうち一番大きな本棚が見事に倒れていて、意外だったのはそのほかの本棚もオーディオラックも全てそのまま立っていた事だった。上に乗っているものこそ下にほとんど落ちてはいたが、本棚は国道に面しているものはひとつも、1センチも動いていなかったのに、海に面しているものはバラバラに壊れていて、丁度いつもフライフィッシングに使う毛ばりを巻く為に主人が座っている椅子を直撃していた。
釣りに行っていなかったら、確実にここに座って毛ばり巻きをしているかギターを弾いているか、どちらかをしていたに違いないと思うと、ちょっとどころじゃなくかなりぞっとしてしまった。
床に広がっているのは私の大好きな作家渋澤龍彦氏の全集とレコードラックに入りきらなくて本棚に入れていた、箱入りのバッハのレコード集。割れたものがあれば大変と思ったけれど、ありがたいことに壊れたのは椅子と扇風機だけで他は全部無事だった。
そう、ほかは全部無事だった。

原形をとどめていない本棚を何とか脇にどけて、何重にも折り重なった上から本を一冊拾い上げた。
上から片付ければそのうち終わる。そう思いながらもう一冊も手に取った。




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